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2016年7月27日 (水)

グリンデルワルトで開催されたEiger Ultra Trail 2016(E101)に参戦!【レース編】

【7月16日】
今回参加したEiger Ultra Trail (アイガーウルトラトレイル)E101は距離101km、積算標高6,700m(登りだけを合わせた高さ:今回のレースはスタートとゴールが同じ場所なので、同じ数値分下る)という内容です。
この競技を始めてから1年半。自分の出場経験があるレースでは、一番過酷だと思っています。
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深夜の起床
レースは4:30にスタートですが、中間点まで運んでもらう荷物預けが3:30に開始されます。そのため4時には会場入りしたいと思い、食事やテーピング、着替え、最終チェックの時間を見込んで2時前に起床しました。
バルコニーに出てみると、とても寒く、明日のこの時間の自分を案じてしまいます・・・。真っ黒なアイガーに向けてシャッターを切ってみましたが、何も写りませんでした・・・。
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未明のスタート会場
4時前に会場に着いたときには、まだ人もまばらでした。が、次第に人が集まり、レース前の賑わいと興奮がこのスタート地点を支配します。
防寒着を脱いで、スタートを待ちます。
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号砲の時、そしてグラブを失う・・・
4:30・・・ぴったりより少し遅れての号砲でした。街の沿道には早朝にも関わらず、多くの人が出ていて声援を送ってくれます。
そんな中、スマホをザックに仕舞おうとしながら走っていて、このレースのために購入したグラブ(右)を1km地点までに失ってしまいます。101kmのレースで、100kmを残して・・・。あまりにも間抜けで、いまでも悔やまれます。
レースは次第に高度を上げ、モルゲンロート(朝焼け)のアルプスが背後に拡がります。
1回目のエイド(給水所)で、防寒用に入れておいた別のグラブを右手に装着。左右色違いのグラブをはめて、レースを進めます。ちなみにグラブは、強い紫外線から守る意味も込めて装着しています。
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真夏の積雪路
前日のブリーフィングでのコース解説の通り、前半の2000m~2500mくらいの標高の場所は、一昨日の雪が多く残っておいます。殆どが圧雪、場所によってはアイスバーンなので、足元がおぼつかず体力の消耗が激しく、下りなどではストックが命綱の役割を果たします。
滑落したら奈落へ一直線だろう・・・という腰の引けちゃう場所でも、中にはストックなどを使わず、駆け下っていく人も多数・・・唖然とさせられました。欧米人、やっぱり頭も身体もつくりが違う・・・。
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高度を下げていくと雪も消え、トレッキングを楽しむ人たちがたくさん表れます。
トレッキングの人たちは競技者に道を譲ってくれ、またわざわざレースを観戦しに来ていると思しき人たちはカウベルを片手に「Hop、Hop、Hop!」と応援したりしてくれます。トレイルランニングというものが文化になっているのだなぁ・・・と感じました。
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漸く中間点
中間(53.1km)地点までの下りでは、ヒザとつま先への相当のダメージがありましたが、14:30、中間地点のブルクラウエネンに着きました。
ノロノロとしていたのは認めます、ただ険しい顔もしていたようなのです・・・。ドクターが駆け寄ってきて「調子が悪そうだから、リタイアしろ・・・」といいます。一瞬、ラッキー!と思ったのですが、即座に「ここで靴の靴の交換をすれば、全く問題ない・・・」と回答し、レース継続が許されました
そうです、ここには服や靴、行動食等を詰めた自分の荷物が届いているのです。
ちなみに、この後もゴールまでにリタイアを勧められる場面が2度もあり、相当に苦しい顔をしていたのだと思います・・・。
服を着替え、靴を履き替え、軽食等も済ませて、気持ちも新たに後半戦へ出発します。
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そして、後半戦。
ゆったりめの靴に変えたこともあり、つま先は少し楽になりました。が、下りになるとやはり、すでに全ての爪が鬱血していて、踏ん張りが利かないためスローペースを余儀なくされます。
どうにかこうにかヴェンゲンの街に入ると、観光に来ていた日本人を見かけたので「こんにちは!」と挨拶すると、「日本人も参加しているの!」と驚いた様子で応援をしてくれました。
ヴェンゲンからは、今度はメンリッヘェンに1,000m程度、つづら折りに登り返します。「主催者め、エグイこと考えるなぁ・・・」と恨み、辛みを吐きながら、そのまま天国(あるいは地獄)に続くのでは?と思われる坂を、西日の直撃を受けながら上り続けます。かなりしんどかったです・・・。
そして、メンリッヘェンへ。2日前に大雪に見舞われた場所ですが、すでに嘘のように雪が消えていました。
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山が燃えている!
70km超の地点の近くでは、アイガー等の山々がアーベントロート(夕日が山を染める)が美しかったです。苦しくて、景色を堪能・・・なんて余裕は殆ど無いレースでしたが、このときばかりは“アルプスの少女ハイジ”の「山が燃えている!」というセリフを思い出して、しばし足を止めてしまいました。
ちなみに、この街を離れる日にモンベルショップで聞いた話しですが、宮崎駿がハイジの舞台をイメージするために訪れた場所は物語の舞台のマイエンフェルトと、ここグリンデルヴァルトだったそうで、特に自然の風景はここのイメージなのだそうです。
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電車の車庫を使った給水ポイント
クライネシャイデックの給水所は、ユングフラウ鉄道の検査場の中に設けられています。電車を眺めながら身体を休めることができます。普段なら、電車にこれだけ近寄れるチャンスに、いろいろと動き回るところですが、そんな余裕はありません・・・。
ここから先は暗闇へのスタートなので、ヘッドライトの装着や防寒着の着用などの準備をする必要もあるので、疲労でのろまになった身体に鞭を打ちながら割とサクサク行動しないとなりませんでした。
長い夜に向けて、いつも通りカフェイン飲料「超超打破」を投入して、出発します。
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暗闇の中、レースは続いていく・・・
気温の低下した、闇の中でのレース。緩い下りの後、再び急登してアイガーグレイシャーに着きます。ここには給水所等はないので、そのまま通り過ぎます。そして、そこからはアイガー北壁の直下をトラバースします。
緩傾斜ですが暗いし、辛いし、時々圧雪などの危険箇所もあるルートを進み、後半には急傾斜が待っています。
【17日】
この間に、日をまたぎました。途中のアルピグレン到着は、1時半くらいだったように思います。仮眠を取っている人も多く見られましたが、自分の場合はここで寝たら最後ですし、カフェイン飲料のおかげで寝ることはできないでしょう。コップ一杯のコーラをもらい、水を補給して、靴の中砂利を取り除いてすぐに出発します。
そしてグリンデルワルトと同じ海抜1,000mくらいまで下ると、再び300mくらいの登り・・・からの下りが、最後の最後に待っています。心が折れそうになりますが、とにかくレースを早く終えたい一心でストックを使って“腕”で歩きます
そして、だんだん街が近づいてきます。寝静まった、街の目抜き通りを最後の力を振り絞って、ジョグ程度のスピードで進みます。沿道には、まばらですが深夜未明にも関わらず声援を送ってくれる方もいて、その声援に応えながら、ゴールを目指します。
結局、ゴールは4時前でした。23.5時間・・・到着時間は、計画していた通りでした。
が、予想以上にエグイコースで・・・もう、ウルトラはお腹いっぱいです・・・。
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レースからの開放
部屋に戻り、シャワーをあびて、横になりますが体中が痛くて眠れません・・・。
カフェインが効いていたこともあったのかも知れません・・・。
結局、朝食が始まる6:30まで寝付けなかったので、まずは食事をしてしまい胃に血液を送り込み、眠くなるのを促す作戦を採ります。
長距離レース前はカフェイン絶ちをしていて、レース終了後の食事でコーヒーを飲むのはかなり楽しみなのですが、ここでコーヒーを投入すると眠れなくなるので、この朝食時点では我慢します。
眠りから目覚めたのは10:30頃だったでしょうか。
レースで使用した衣類を洗濯するために、ホテルから2~3分の場所にあるコインランドリーに向かいます。
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優雅で、最高に贅沢な日常生活
コインランドリーからの帰りに、co-opで昼食を購入して、洗濯物を干したり、昼食を食べながら日曜日の午後をゆっくりと過ごします。
雲一つ無い青空に聳える、アイガーを眺めながら・・・。
この風景の中で行う、日常の当たり前の行為はなんとも贅沢だと思いました。
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“完歩”祝いに駆けつけてくれた友たち
夕刻、BARに行くと、木曜日に約束した飲み助たちが、本当に皆が集まっていてくれて、完走、いや完歩を祝ってくれました。感激です!
御礼に、みんなに扇子をプレゼントしました(木曜日に結婚祝いとして扇子をプレゼントした友人には、別の絵柄のモノを、初対面の奥様にプレゼントしました)。
ちなみに木曜日と、この日の飲み代は地元の人たちやオーナー(殆どがオーナーですが)が出してくれて、結果として酒代ゼロでこんな楽しい時間をいただきました!
E101レースはあまりに辛かったので。いまのところ再出場・・・は考えづらいですが、何かの機会にこの街には再訪したいと思います。
多くの友との再会を果たすために!

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★コインランドリー(Waschsalon) 
ホテルから駅とは逆方向に、道を500mくらい下りていったところにあります。
建物の地階にあり、道路からは階段で下ります。
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【営業時間】8:00~20:00
【料金】
洗濯:5CHF(1CHF×5枚)/回
乾燥機:7分間で1CHF
洗剤:1CHF(グラム数不明、持参したものを使用しました)
※5CHF、2CHFから1CHF硬貨への両替機があります。

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